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母「ーーーそれで、あなたは傘が見つからなかったから、カッパを持って公園に戻った………でも、」
「…い、いいから、続けて母さん」
母「その時っ…Aちゃんが、車に乗せられて…誘拐されたの」
「えっ…？」
母「あなたは車を追いかけて走って…追いつけるはずもなくて、それでもずっと街中を走り回って…そこで保護されて何が起きてるか私はその時に初めて知ったの」
俺の手を、爪が食い込むくらい握りしめて。その手は震えてて、そしてその上にポタポタと苦しそうに話す母さんの涙がとめどなく落ちていく。
母「Aちゃん、それから見つかったのは3日経ってからで…その間に何があったかはわからないけど、記憶がなくなってしまって…その後すぐに家族でどこかへ突然引っ越して……」
「あ、嘘だろ…そんなの俺…Aとの記憶はちゃんとあるよ？そんな雨の日のことなんて……」
母「あなたも、その時のことを忘れてしまってるの。Aちゃんが見つかるまでの間、私もあなたもAちゃんのお母さん達にたくさん責められた。勿論、責められて当然だと思う。
だけど、まだ小さいあなたは…それに耐えられなかった。ストレスでご飯も食べれなくなって倒れて…起きた時にはいつものあなただった」
そんな、漫画みたいな話…本当にあるの？
耐えられなくて記憶をそこだけ綺麗に落としてしまうなんてことが、実際に起こりうることなの？
こんなにも昔からAのことで頭がいっぱいで。
ずっとずっと大切で、恋焦がれて。
そんな相手とのことを、俺が忘れるなんて、
母「…思い出せないでしょう？あの日のことだけ」
「思い…だ、」
物心ついたその瞬間から、Aと過ごした思い出がひとつひとつと溢れ出てくるのに。
そういえば、俺はどうしてAと離れたんだっけ？
あんなにそばに毎日いたのに。
いつから、俺の隣にAがいなくなったんだっけ？
どうしてAは居なくなったんだっけ？
「どうし……ゔっ、」
ガンッ！とまるで鈍器で頭を思い切り叩かれる様な衝撃と痛みが走る。
「い、痛いっ…なんで、A…っ、う、」
母「ジョングク！！！」
ガンガンと意識が飛びそうな痛みが走る中、母さんが俺を抱きしめた。
母「いいの！無理に思い出さないで！私が、母さんがあなたを守るから…！」
でも母さん、それじゃあAは、…ーーーーー
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流空星(プロフ) - わお。さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2021年7月19日 20時) (
レス) id: 0c34e58aba (このIDを非表示/違反報告)
わお。 - すごく、面白いです!更新、頑張ってくださいね! (2021年3月2日 20時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流空星 | 作成日時：2019年6月17日 1時
