コネクト (ページ38)

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4泊5日なんて長い様であっという間だ。
私は行ってる身じゃなくて待つ身だが、毎回そう思う。
想い人が国外にいるというのに、割と忙しくて会いたいなんて思ってる暇がないからだ。

「ただいまー」

今帰って来たわけでもないのに、店に来たテヒョンの第一声はそれだった。
昨日既に帰って来ていたのは知っている。

ブレイクタイム中だというのに、何の躊躇いもなくドアを開けて我が物顔とはこれの事だ。

「おかえり、疲れてる？」

「んーまぁ少し？でも楽しかったから平気」

頷くテヒョンの金色の髪がふわふわと揺れた。
ブレイクタイムなのを知ってか知らずか、今日はマスクも帽子もないなんて。

買い置きのマスクを渡そうと戸棚を開ける私にテヒョンが'これ'と。

「ここのマスコットに出来そうでしょ？」

クリーム色のテディベアのぬいぐるみを、丁度お客さんが見るメニューの横に置いた。
Nのメッセージが脳裏を過った。

私の表情か、纏う空気か。
それにテヒョンが何か勘づいたようで

「もしかしてまた俺の事Nかも、とか思ってる？なんかNから言われた？」

正にそれを言い当てられて、取り繕えられず。
ただテヒョンの特徴的な目とテディベアを見ている私にテヒョンが'あー！'と急に大きい声を出して。

「何？！何言われた？！」

「…いや、お土産買って帰るって、言われたから」

「だからこれ！？」

テヒョンが今さっき置いたばかりのテディベアを軽く掲げて言った。
ガラス戸の向こう側を通り過ぎる人は、今のテヒョンの後ろ姿をどう思うだろうか。

なんてたった今通り過ぎた若い女性二人を目で追った私にテヒョンが'だからー！'とまた大きな声で言って、テディベアを元の位置に戻した。

「俺じゃないから！だってこのクマだってAにだけ買ったわけじゃなくて、Aのお母さんの分も買ったんだから」

まさかの人物へのお土産に今度は私が大きい声を出したのは言うまでもない。
確かに親しいけれど！
確かに母親はテヒョンのファンだけど！

紛らわしい！